事故物件の清掃には特殊業者を!正しい特殊清掃業者の選び方や仕事内容を徹底解説!

事故物件 清掃

近年、事故物件という言葉を目にする機会が増えています。事故物件の中には心的瑕疵という物件があり、人の気持ちに害を与える可能性がある物件という意味です。心理的瑕疵物件は、4つの死因によって亡くなった物件が多く、中でも近年増加しているのは自然死です。

核家族化や高齢化によって、一人暮らしの人が誰にも知られずに死んでしまう孤独死が増えています。孤独死をして長い期間発見されずにいると、血液や体液が漏出し、ゴキブリやハエが大量に発生します。さらに、死体からは死臭と呼ばれる強烈な臭いを放ち、カーペットや壁などに洗っても取れないようなにおいが染みつきます。

そのような体液や臭いを清掃する特殊清掃員という専門の業者がいます。今回はそんな特殊清掃や、清掃後の告知義務について紹介してきます。

事故物件の特殊清掃について。そもそも必要性はあるの?

事故物件の特殊清掃とは、染みついた死臭は腐敗した肉片を中心に、リフォームできる状態まで清掃することです。現場の消毒から不用品の除去、害虫駆除、フローリングの張替えといった作業を一つの業者が行います。業者としては多くの作業が必要なため大変ですが、利用者としてはとてもありがたいことですよね。

特殊清掃の必要性ですが、一人暮らしをする核家族化や、国民の25%以上にもなる高齢者によって、孤独死の人数は増加し年間3万人以上となっています。孤独死の増加に伴い、特殊清掃を専門とする業者や、不用品回収の業者も増えており、今後も増加していくでしょう。

現在ではあまり知られていない特殊清掃の仕事ですが、数十年後には誰もが知る国民的な仕事の一つとなることが予想されています。
なので、特殊清掃の必要性は大いにあるでしょう。

具体的にどのようなことを行うの?

特殊清掃には多くの仕事があるため、ここでは具体的な仕事内容を順に紹介します。まず1点目に行うことは、見積もりやご遺族への説明です。料金を後から高額請求してくる業者もいるため、仕事を開始する前にあらかじめ料金を公表する清掃業者を選びましょう

一律料金などではなく、現場ごとに清掃場所や床の広さを確認し、きちんとした料金を掲示する業者であれば、不当に高額な料金を請求されることはありません。

2点目に行うことは、消毒・消臭作業です。遺体が腐敗した現場では、体液や肉片によって部屋は酷い状態になっています。ウイルスの感染を防ぐために、二酸化塩素を中心に消毒剤を散布します。

3点目に行うことは遺品の整理と害虫駆除です。遺品の整理は供養という形で、亡くなった方やご遺族を第一に考え丁寧に行います。汚染されている遺品は清掃し、跡や臭いが残らないようにし、遺品の整理中に出る害虫は駆除していきます。害虫の種類や多さによって、強力な薬を使うこともありますが、現場の状況次第です。

4点目に行うことは、オゾン消臭です。オゾンには、臭いや菌を分解するという効果があり、臭いを根本から除去することができます。

5点目に行うことは、壁紙の張替えやフローリングの張替えです。染みついて取れない臭いやシミのついた部分はすべて解体し、新しいものと張り替えます。

孤独死があったことを連想させない部屋作りが、新しい住民を生み出すのに必要なのです。最後に行うことは、状況確認と報告です。
万が一、汚れや臭いが残っていると、虫の発生ウイルスを体に取り込んでしまうことになります。そのため、入念にチェックをして、ご遺族の方に報告をします。ここまで多くある工程を、一つの業者が行ってしまうのは驚きですよね。

業者選びのポイント

遺品清掃を依頼する上で、業者選びに重要なポイントをご紹介します。
まず1点目に重視するポイントは、遺品整理士の資格を所有しているかどうかです。
遺品整理士とは、一般社団法人遺品整理士認定協会が行う養成講座を受けた後、試験に合格することで得ることのできる資格です。

この資格は、高額な請求や不法投棄などを行う悪徳業者を減らし、業界の健常化を図るために設立され、人気資格となりつつあります。
遺品清掃を行う上で、必ずしも必要な資格ではありませんが、講座では約2か月に渡り、遺品整理の仕方や遺族の心理などを学ぶため、資格取得者を選ぶことをおすすめします。しかし、2017年にようやく資格取得者2万人を達成したこの資格は、まだまだ発展途上の資格であり、遺品整理士のいない業者が多いことも確かです。

2点目に重視するポイントは、料金の表示の仕方についてです。今から紹介する例を見て、あなたはどちらの業者が安心するでしょう。

A社 6畳間の1Rの場合、一律10,000円
B社 6畳間の1Rの場合、フローリング張替え7,000円、害虫駆除3,000円、計10,000円

どちらも料金は同じですが、表示の仕方が異なります。A社の場合、料金はかなり見やすいですが、料金の詳細が載っていません。
B社の場合は、最終的にはどの料金なのかが少しわかりにくいですが、料金の内訳が詳細に書かれています。選ぶのが楽なのはA社ですが、料金が詳細に書かれているB社のほうが、安心感が大きいですよね。一律料金で設定している会社は、詳細を書いていないため不当に金銭を取っている可能性があります。なので、B社のように細かい料金をしっかりと提示している会社を選びましょう。

清掃後に行うこと(告知義務など)

特殊清掃が終わった後、入居者を募集するには、告知義務というものが発生します。告知義務は、過去に入居者が死亡したことを知らせるもので、心理的瑕疵物件という形で物件情報に記載されます。一軒家の場合は付近の一軒家、マンションやアパートの場合は上下左右の部屋まで心理的瑕疵物件とすることが多く、どこまでの範囲を対象にするかは不動産業者次第となっています。

理想としては、半径200m以内にある物件の重要事項説明書には、事故物件が付近にあることを記載すべきとされていますが、現状ではなかなか達成できていないようです。告知義務には時効がなく、時間の経過や所有者が変わることによって、事故物件であることを隠してしまうこともありますが、告知義務を怠ることはNGです。

事故物件を見つける方法としては、心理的瑕疵物件をキーワード検索すると出てくる場合が多いですが、中にはNGであるにも関わらず、事故部兼であることを隠す業者もいます。多くは値段が相場よりも2割ほど安いため、気になっている物件が安い場合には、しっかりと問い合わせをして確認をしましょう。

中には、値段も相場通りにして事故物件であることを隠し販売する悪徳業者もいます。事故物件に住みたい、と思う方は少ないと思いますので、どのような物件でも、過去に事件や事故がなかったかを確認することは重要です。直接、不動産業者に効くのが不安という方は、大島てるという地図上に事故部兼を表示させるサイトを活用することも1つの手なので、役立つツールを活用して、人生において重要な家探しをしましょう。

まとめ

事故物件の特殊清掃や、特殊清掃業者を選ぶポイントについて紹介しました。孤独死が増えている世の中、特殊清掃業者を正しく選ぶ知識が役立つ日がくる可能性もあります。

多くの仕事を丁寧に行い、供養の気持ちを持った遺品整理の資格を持った業者にお願いすることは、亡くなられた方のためでもあります。
今後も増えるであろう清掃業者は、しっかりと見極めて活用しましょう。

この記事の執筆者
立花廉
フリーランスのライターとして活動中。エンターテイメント系から子育て、ライフスタイル・生活関連の記事まで月に数十本の記事を執筆し実績も豊富。得意分野はエンタメ・娯楽、社会問題関連のジャンル。特掃ジャーナルにも複数の記事を寄稿中。