巷で噂の『特殊清掃』は本当に儲かるの?給与や求人事情などを詳しくご紹介!

特殊清掃 起業

近年、特殊清掃という言葉が世に広まり、特殊清掃の仕事自体にも注目されています。ですが、特殊清掃がどのような仕事でどのくらいのニーズがあるのか、あまり知られていないというのが現状です。特殊清掃という仕事が出始めたころ、一攫千金の仕事と言われているほど儲けの出る仕事だったようですが、現在はどうなのでしょう。今回は、特殊清掃の給与や求人情報をメインに、仕事内容やニーズについても紹介していきます。

そもそも特殊清掃とは?どんな仕事なの?

特殊清掃がどのような仕事かを知らないと、給料が仕事に見合っているかどうかの判断はなかなかつかないですよね。ここでは、簡単にではありますが、特殊清掃の仕事内容を3つに分けて紹介します。

まず1点目は、脱臭・汚れ落としの作業です。遺体の腐敗した臭いや、染み出た体液は、落とすことがかなり難しいです。特殊清掃では、特殊な薬剤を使用し、それらの汚れや臭いをきれいに落としていきます。少しでも残っていると、クレームやトラブルに繋がってしまうため、徹底的に作業をこなします。

2点目は、害虫駆除の作業です。
汚れているところにゴキブリ、臭いのきついてところにハエといったイメージが皆さんはあるかと思いますが、まさにその通りです。特殊作業の現場には、ゴキブリやハエといった害虫が湧き出ています。さらに、キクイムシやシンバムシといった住宅を破壊してしまう害虫まで湧くことがあります。害虫は、近隣住民への被害や、住宅そのものへの被害が予想されるため、手早い駆除が求められるのです。特殊清掃では、通常の殺虫剤よりも強力なものを使用し、害虫が外に逃げないように部屋を閉め切ってから、完璧に駆除をします。

3点目は、リフォームです。表面の汚れや臭いを落としても、中に染みついて物は取れません。そこで、特殊清掃では遺体のあった現場の床や壁を張り替えるというリフォーム作業まで行います。多くの作業があり、かなりの技術が求められる仕事だという事が分かるかと思います。

特殊清掃のニーズはどんどん増えています

自特殊清掃という仕事ですが、実はニーズがどんどん増えています。理由としては、高齢化や核家族化により、一人暮らしをする方が増えているからです。高齢者に至っては、日本の総人口に対する割合が、21%を超え、超高齢社会と言われるほどになっています。

特殊清掃の現場は、孤独死によって長い期間、遺体が発見されなかった現場が多いため、一人暮らしや高齢者が増えている現在、特殊清掃のニーズが急増しているのです。そのニーズに目を付けた人が多いことも現状です。10年ほど前には、片手で数えるほどしかなかった特殊清掃業者が、現在では2000社を超えています。さらに、遺品整理士認定協会という協会が設立され、認知度が大きく広がり、特殊清掃に携わる人間は、3万人ほどに到達しているそうです。今後もニーズが増えていくと予想される特殊清掃、ニーズの増加と共に、特殊清掃という職に携わる人間も急増していくことでしょう。

給与や求人はどうなっているの?

特殊清掃のニーズが増えていることは紹介しましたが、給与や求人はどうなっているのでしょう。まず、特殊清掃の給与は、年々減少傾向にあります。元々数がかなり少なかった特殊清掃業界は、雑な仕事内容や、簡単な仕事内容でも、法外な料金を請求していました。しかし、業者が少ないため、顧客が減ることはなかったのですが、近年、特殊清掃業者は急増しています。また、遺品整理士認定協会が発足されたことにより、法外な料金を請求する業者を撤廃するという活動が行われています。そのため、一攫千金を求めて法外な料金を請求することができなくなってしまったのです。現在、年収の相場は200〜500万円ほどで、肉体的、精神的苦痛の大きい仕事としては、給料が高いとは決して言えません。

次に求人についてです。特殊清掃の求人はあまり行われません。理由としては、ほとんどの業者が少人数のチーム制で行っているからです。多くの作業をこなす必要のある特殊清掃は、チームワークが命、時間短縮や完璧に作業をこなすことにも繋がります。そのため、チームに空きができてしまった場合や、新規に事業を立ち上げるためのメンバー募集以外では、あまりメンバーが補充されることはありません。上記の理由から特殊清掃業に携わりたい方は、インターネットなどの求人募集をこまめにチェックしておきましょう。

特殊清掃で稼ぐためには必要なことは?

昔のように大金を稼ぐことが難しくなった特殊清掃ですが、少しでも多く稼ぐために必要なことはあるのでしょうか。特殊清掃で稼ぐために必要なことは主に2つ、勤続年数と資格の取得です。

まず、勤続年数についてですが、特殊清掃は世に広まってから年数の浅い仕事です。そのため、長い期間経験を積んでいる人はかなり重宝されます。8年程度勤続をしていれば、年収が大幅に上がることも十分にあります。

次に、資格についてです。事件現場特殊清掃士や建築物ねずみ昆虫等防除業、脱臭マイスター資格、ハウスクリーニングアドバイザーといった資格は、特殊清掃業務においての知識を得ているという証になります。顧客の信頼にもつながりますし、こういった資格を持っていると非常に重宝されるため、給料の増加にも期待ができます。

まとめ

特殊清掃の給与や求人、ニーズについて紹介してきました。ニーズの上昇を上回る勢いで、特殊清掃に携わる人が増えていることが分かるかと思います。現在では、業者が増え価格競争が激しいため、大金を稼ぐことは難しい職業となっています。しかし、責任感や人の役に立ちたい、という方にはやりがいのある仕事なのでおすすめです。今後は、純粋に特殊清掃に興味を持った人が、職に就くことが予想されるため、特殊清掃業界のさらなる向上が期待されます。

この記事の執筆者
立花廉
フリーランスのライターとして活動中。エンターテイメント系から子育て、ライフスタイル・生活関連の記事まで月に数十本の記事を執筆し実績も豊富。得意分野はエンタメ・娯楽、社会問題関連のジャンル。特掃ジャーナルにも複数の記事を寄稿中。特殊清掃や遺品整理に関する記事を特掃ジャーナルで多数執筆。