遺品整理士になるためには?仕事の内容と資格取得までの流れを解説!

遺品整理士

「皆さんは、遺品整理士というお仕事をご存じですか?
名前からある程度の想像はできますが、詳しく知っている方は少ないのかと思います。
遺品整理士になるために必要な資格や知識はあるのでしょうか。
また、実際に職について、どの程度の年収がもらえるのか、これからの時代でも活躍できるのか、気になりますよね。
今回は、そういった皆さんが気になる遺品整理士についての情報を、ご紹介します。

遺品整理士の仕事とは?気になるお仕事内容をご紹介!

遺品整理士の仕事は、部屋を片付けるだけのように見えますが、実際は違います。
ご遺族の想いを大切にしながら物を扱い、様々な管理会社と連携やごみのリサイクル・買取といった多くの仕事があり、とても大変な仕事です。遺品整理士の仕事内容を中心に、注意点や必要なことを紹介していきます。

遺品整理士とは

遺品整理士とは、本来はご遺族の間で行っていただく遺品整理を代行する、というお仕事です。
遺品整理とは、故人の部屋の片付けや不用品の処分、その後の清掃を指します。
故人の想いが残った品々を捨てるだけではなく、供養という形で取り扱います。
遺品整理士は、残された遺族のことを考え、遺品の取り扱い方や法規則などの知識を得ることができる資格です。
資格を取得していなくても仕事をすることはできますが、中には高額な請求をしてくる業者や不法投棄をしてしまう業者までいます。
モラルの低下の是正を行い業者の健全育成をすることや、遺品整理を行う業者を増加させるため、遺品整理士認定協会が遺品整理士という資格を設立しました。
資格取得のための養成講座の運営や認定試験を実施し、資格取得者の増加を目指しています。

遺品整理を行う前に必要なこと

遺品整理を行う前に必要なことは、ご遺族の方とよく話し合いをすることです。
ご遺族の方と遺品整理の現場を共に訪れることが理想ですが、そこまで協力的な方であるとは限らないのでなんらかの連絡手段でコミュニケーションを取ります。
決めることは主に、スケジュール、処分する品の決定です。
ご遺族の方の都合などもあるので、開始する日程や、かかる期間をあらかじめ決定する必要があります。
期間を短く設定していても、遺品の整理にはかなりの時間を要することも多いため、少し長めの時間を確保することが推奨されます。
処分する品としては、ペットボトルやちり紙といった通常のごみはそのままごみとして扱われますが、大きくて一人では持ち運べないものなども、ご遺族と相談し回収をします。
思い出の品はきちんと保管し、換金やリサイクルの希望には早急に対応することが求められています。

遺品整理を行う上での注意点

遺品整理を行う上で注意が必要な場面は多くありますが、特に注意が必要なのは賃貸住宅に住んでいた場合です。
賃貸の遺品整理では、電気や水道、ガスの管理会社に連絡を取る必要があります。
さらにインターネットを個人契約している場合、部屋に残された通信機器を返却し、自身で付け替えた家電や照明機器なども、管理会社に確認しどうするかを決める必要があります。
こういった連絡を怠るとトラブルの発生になりかねないため、連絡は必ず行います。

遺品整理士の難易度や合格率は?

不用品回収業者とは異なる遺品整理士には、遺品を処分するものでも丁寧に扱い、ご遺族や故人に敬意を払う必要があります。
遺品整理士という資格は遺品を扱う上で必要な知識を得たという証で、ご遺族が安心して依頼するために必要な証です。
難易度や合格率といった、遺品整理士の資格を取得するために知っておきたい情報を紹介します。

遺品整理士の資格とは

遺品整理士の資格とは、一般社団法人遺品整理士認定協会が行う認定試験に合格し、もらうことのできる資格です。
遺品整理を行う業者が少ない中で、高額な請求や不法投棄などを行う悪徳業者が発生しました。
遺品整理士の資格が生まれ、料金や分別をしての処分やリサイクルなど、正しく業務を行うプロ遺品整理士として活動することができるようになりました。
しかし、遺品整理士を取得しなければならないという法的拘束力はありません。
遺品整理士を取得していることで、遺品整理士認定協会のサービスを利用することは可能になります。
2017年には資格の取得者が2万人を超え、今後も増えていくと予想されますが、取得するかどうかは自分次第です。

遺品整理士の難易度や合格率

遺品整理士になるには、遺品整理士認定協会が実施している遺品整理士養成講座を受け、その後試験に合格する必要があります。
講座は、協会から送られてくる教科書や資料集、DVDといった通信教材を用いて受講します。
約2か月間の講義を受けた後、試験であるレポートを提出し、2か月後に合否が発表されます。
一見、受講さえしていれば資格をもらえるように見えますが、しっかりと受講してレポートを提出しても、合格できるとは限りません。
合格率は約65%とそこまで高くなく、約3人中2人の合格となっています。
遺品整理士養成講座以外にも、本屋さんなどで問題集を購入して勉強する人も多いです。
遺品整理士は、受講に制限がないため、今後も多くの方が受講するでしょう。
受講料は2.5万円とかなり安く資格取得に挑戦することができます。(認定手続き含む会費が2年おきに7000円かかります)
必ず必要な資格ではありませんが、取得すればご遺族の気持ちをより理解し、供養の気持ちをもって仕事に取り組む遺品整理士になれるでしょう。

遺品整理士の年収や今後のニーズは?

孤独死や核家族化が増える日本で、重要視される遺品整理士という職業。
故人やご遺族のことを大切に想い、仕事をすることはとても大切なことですが、年収も職を決める一つの手です。
入社1年目の年収からその後の年収、さらに将来のニーズについても紹介していきます。

遺遺品整理士の年収は

残されたご遺族や故人のために行う大事な仕事である遺品整理士、過酷な現場も数多く存在するでしょう。
いったいどのくらいの報酬をもらえるのでしょうか。
首都圏や地方といったエリアにも左右されますが、遺品整理士の年収は平均300~500万円ほどです。
入社1年目では300万円ほどで、一般的なサラリーマンよりも高くなっています。
年功序列式で、10年目には年収800万円ほどになる方が多く、それ以降ほとんど年収は上がらないようです。
800万円以上の年収を目指す方は、独立し遺品整理業を開業することで年収1000万円以上を得ることも夢ではないでしょう。

今後のニーズ

日本では現在、1人で生活をする核家族化、65歳以上の高齢者が25%以上となる超高齢社会となっており、孤独死をする人が非常に増えています。
なので、遺品整理士の需要は今後急増していくと思われます。
人生の終わりをサポートする人間として世間に知られ、多くの人が知る仕事になるでしょう。
そのうえで、遺品整理士の資格は信頼を得るうえで、とても大切な資格になるため、遺品整理士を目指している方や、不用品回収業者に勤めている方はぜひとも取得した資格です。

まとめ

遺品整理士という仕事を紹介してきました。
まだ資格の取得者が少ないですが、今後は需要の急増と共に取得者も増えるでしょう。
肉体的にも精神的にもきつい仕事ではありますが、人の最後をサポートするとても大切な仕事です。
遺品整理士という資格が世の中に浸透し、多くのご遺族をサポートできる社会になることを期待していきましょう。

この記事の執筆者
立花廉
フリーランスのライターとして活動中。エンターテイメント系から子育て、ライフスタイル・生活関連の記事まで月に数十本の記事を執筆し実績も豊富。得意分野はエンタメ・娯楽、社会問題関連のジャンル。特掃ジャーナルにも複数の記事を寄稿中。