「孤独死」とは一体どのような状態?気になる孤独死の実態や対処方法を徹底解説

孤独死

ニュースやワイドショーなど、様々な場面で取り上げられることが多くなってきている”孤独死”。あなたの両親や身近な人も全く関係ないとは断言できません。実際に起こってしまうとあなた自身も、とても悲しい思いをすることになります。そうならないためにも、より身近なこととして日頃から考えていきましょう。そこで今回は”孤独死”の実態や対処方法について詳しく解説していきます。

孤独死とはどのような状態?

”孤独死”とは一般的に「一人暮らしの方が、誰にも看取られず自室内でひとり死亡すること」といわれています。
というのも”孤独死”という状態には、明確な定義がありません。
また”孤独死”とは別に”孤立死”という言葉も、聞くことがありますよね。
主に行政では”孤立死”という言葉が使われているそうですが、これも明確な違いはないのです。
このように現在のところ”孤独死”や”孤立死”に明確な定義は無いにしても、ほとんどの方が一般的な共通の認識を持っているでしょう。
それと合わせて「この状態は避けるべき」ということも、皆さんの共通認識でなければなりません。
しかし毎年のように”孤独死”の死亡者が多く出てしまっているのも現状です。
そこで、”孤独死”の傾向について解説いたします。

孤独死が増加傾向にある!?近年のデータをを確認

先ほどもお伝えしましたが”孤独死”は、必ずと言っていいほど避けるべき状態です。
そんななかでも毎年のように”孤独死”で亡くなった方が多くいるほか、増加傾向にあるのが事実です。
しかしそれがどれぐらいの人数なのか、どれぐらいのペースで増加しているのかを調べる機会はなかなか無いと思います。
そこで今回は65歳以上で一人暮らしの方を対象とした孤独死者数を、グラフで詳しく見ていきましょう。

 

【東京23区内】一人暮らしで65歳以上・自宅での死亡者数

出典:東京都監察医務院 2020年11月26日時点

 

このように過去10年間だけで見ても1500人以上も孤独死で亡くなった方が、増えていることがわかります。
現在の社会問題として若い人より高齢者が多いという”高齢化”があるなか、孤独死はやはり深刻な問題と言えますね。
そこで少しでもこの増加を食い止めるために、孤独死について理解を深める必要があります。
より深く理解をするために、次は孤独死が起きてしまいやすい環境について解説します。

孤独死になりやすい人の特徴や環境とは?

先ほどのグラフでは65歳以上の方の孤独死者数を例に、グラフで解説しました。
しかし65歳以上の方だけが孤独死の対象になるということでは、ありません。
どのような人が孤独死してしまいやすいのか、どのような環境が孤独死の原因になってしまうのかについて解説します。

料理や掃除など家事が苦手な50代以降の男性

定年するまで働きづめだったという中高年の男性は、料理や掃除などの家事をしてこなかったため、その点の苦手意識が強い方が多いです。父親や自分自身に当てはまってしまうという方もいるのではないでしょうか。全ての方が当てはまる訳ではありませんが、特に現在50代以上の男性は家事全般を誰かに任せきりで生活をしていたという方も多い世代といえます。そのためパートナーと離婚や死別した際に、突然一人暮らしになり基本的なこともままならず、生活の質が低下してしまいがちです。料理ができなければ栄養バランスも考えられず、掃除をしなければ衛生面も良いとはいえません。このように自身が極限の状態に陥ったという中でも身近な人に助けを求めることができずに、孤独死してしまう男性が多いのです。

貧困や病気などで暮らしに余裕がない人

現代に大きく当てはまると言える”不景気”、これもまた孤独死に大きく関わる社会問題です。不景気が多くの会社倒産やリストラを生み、そこで経済的余裕がなくなってしまう方が数多く出てしまいます。暮らしに余裕がなくなってしまうことで、食べていけなくなるということに繋がります。食べられなくなるのは”餓死”を意味します。このような方もまた、周りに助けを求めることができず、孤独死という状態に陥ってしまうのです。その他にもお金がないと病気を患ってしまっても、病院に行くことができません。治療を受けることや薬を飲むこともできず、月日が経過してひとり悲しい最期を迎えることになってしまいます。

近所の方と交流がなく、孤立している人

孤独死の割合は女性に比べて男性の方が多くなっています。その理由として、男性のほうがコミュニケーションに苦手意識を持っている方が多いことが挙げられます。女性はご近所同士のお付き合いなどを積極的に行っている印象ですよね。男性はそういう点に疎く唯一の人付き合いとも言える仕事を退職すると、人との交流がなくなってしまう傾向にあります。普段から交流をすることがないため、いざというとき近所の方へ助けを求めにくい状況になってしまうのです。また周りから助けが必要な状態と認識される機会もなくなってしまうため、孤独死へ繋がってしまうことが多くなります。このような人の特徴や環境を理解したうえで、孤独死を予防するためにできることについてご紹介します。

孤独死を予防するための対策方法

現在は各自治体などで、孤独死の対策を行っていることがあります。
あなたの身近な人がこのような状況に陥らないようにするためにも、できることをご紹介していきますね。

遺品整理士の資格とは

遺品整理士の資格とは、一般社団法人遺品整理士認定協会が行う認定試験に合格し、もらうことのできる資格です。
遺品整理を行う業者が少ない中で、高額な請求や不法投棄などを行う悪徳業者が発生しました。
遺品整理士の資格が生まれ、料金や分別をしての処分やリサイクルなど、正しく業務を行うプロ遺品整理士として活動することができるようになりました。
しかし、遺品整理士を取得しなければならないという法的拘束力はありません。
遺品整理士を取得していることで、遺品整理士認定協会のサービスを利用することは可能になります。
2017年には資格の取得者が2万人を超え、今後も増えていくと予想されますが、取得するかどうかは自分次第です。

自治体のサービスを活用する

暮らしている自治体によっては、孤独死の対策として一人暮らしの高齢者を定期的に見回るなどのサービスを行っています。
家族間だけでなく地域ボランティアの方などとの交流もできるため、常日頃からの人との繋がりをつくることもできますね。
住んでいる市町村で行っているサービスを調べてみると良いでしょう。

民間企業などの訪問サービスを活用する

ホームヘルパーやお弁当の訪問販売などを利用し、定期的に人が訪れることで安否確認に繋がります。家事などが難しい方もホームヘルパーをお願いすることで、料理や掃除など生活の質を保つこともできるので一石二鳥です。

SNSを活用する

高齢者にSNSは難しいと思う方も多いかもしれませんが、これは多くの人に見守ってもらえる手段とも考えられます。1日1回更新するなどの習慣をつけることで、1日更新がなかったら連絡を取るなどの判断基準としても有効です。このように実際に近くにいることができなくても、様々な方法で見守るということはできます。見守る側と見守られる側に負担がかからない程度で、お互いにあった見守りの方法を見つけてみてくださいね。

まとめ

”孤独死”とは何なのかという基本的なことから、注意すべき環境や予防方法までをご紹介してきました。若い人より高齢者が多い現代だからこそ、より深く考えていくべき問題です。また自分自身や自分の両親・身近な人のためにもできることがあるということを、この記事で分かっていただけたと思います。大切な方の最期が”孤独”という状態で終わらないためにも、ぜひ一緒に考えてみてくださいね。

この記事の執筆者
里岡千恕
フリーランスのライターとして活動中。得意ジャンルはペット系、暮らし・ライフスタイル、エンタメ、旅行、健康・美容・ダイエット特掃ジャーナルにも複数の記事を寄稿中。