孤独死の原因や死因は?正しい知識で孤独死の対策をきちんと行いましょう!

孤独死 死因

孤独死は誰でもする可能性があります。もちろん自分の家族に起こる可能性もありますし、自分自身も孤独死をしてしまう可能性もあります。また、今後も孤独死が増えていくことが予想されており、自分自身でも対策をするとともに、身近な人の孤独死を防ぐためにも気を配る必要があります。今回はどうして孤独死は増えているのか、その対策を説明していきます。

年々増加している孤独死。その社会的な背景は?

核家族化

夫婦のみの家庭や夫婦と未婚の子供による家庭が増えており、従来の三世帯同居などは珍しくなっています。三世帯同居家庭では高齢者の具合が悪くなった場合に、すぐに同居している家族が気付くことができました。核家族化している現在の日本では、高齢者は夫婦または一人で暮らしていることが多いため、具合が悪くなっても配偶者しか対応してくれる人がいません。また一人暮らしの場合、具合が悪くなってしまうとますます誰にも気がついてもらえずに手遅れになってしまうことが少なくありません。

晩婚化や生涯未婚率の上昇による少子高齢化

年々日本の人口における高齢者の割合が増えており総務省の統計では2020年度の高齢者の割合は28.7%となっており、人口は3617万人です。核家族化などの影響で高齢者の人口が増えているだけでなく、高齢者の一人暮らしも増えているため孤独死をしやすい属性を持つ人の人口が年々増加しています。内閣府による『平成29年度版高齢白書(平成29年度版)』では今後も高齢者の人口は増えていき、2042年に日本の高齢者人口はピークを迎え、3,935万人になるだろうと予想されています。孤独死をする危険性の高い人の人口が増えていくことから、今後も孤独死は増えていくでしょう。

晩婚化によって子供を産まない選択をする夫婦の増加や、ずっと未婚の男女が増えていることで子供の出生率が減っています。必ずしも子供が頼りになるわけではありません。しかし子供が心配をすることで安否確認を頻繁にするなどして、孤独死を防ぐこともできます。また高齢者になってから金銭面に困ったときに、子供に援助を頼むという選択肢もあります。子供がいないと更に社会から孤立しやすくなってしまうため、孤独死をする可能性が高くなってしまいます。

パラサイトシングルの高齢化

パラサイトシングルとは、社会人になっても親元で生活をし、経済的にも精神的にもいつまでも自立せず、家事など生活全般を両親に依存している独身者のことを指します。ネットでは「子供部屋おじさん」と呼ばれることもあります。パラサイトシングルは親が要介護となってしまった時に、親の面倒を見切れずに共倒れになってしまう可能性や、親の資金が尽きてしまい共倒れになってしまう可能性があります。

またパラサイトシングルの方は、今までの人生で面倒くさいことは全て親任せにして解決してきたため、一人での問題解決能力は著しく低いです。そのため親が死んでしまうと突然なにもできなくなってしまい、本人はそんなつもりがなくても孤独死になってしまう傾向が強いです。

地域のコミュニティのつながりが弱くなっているため孤立しやすい

以前は地域のコミュニティのつながりが今よりも強い傾向にありましたが、特に都心部では人の入れ替わりが激しくなっていることから地域のコミュニティのつながりが弱くなってしまっています。一人で暮らしている高齢者の方が社会とのかかわりを持つ場が少なくなっており、より孤立しやすい社会になっています。また近隣住民も孤独死をする可能性の高い人を意識して見守ることができないため、孤独死の防止も難しくなっています。

主な孤独死の要因を徹底解説!

孤独死の要因1.病気や怪我

孤独死をしてしまう社会的要因として、社会からの孤立をあげました。社会から孤立をしてしまう事で、自分に介護が必要な怪我や病気になっていても誰にも助けを求めることができなくなっている人も少なくありません。そんな人が急に容体が変わってしまった場合などでも、救急車を呼んだり、助けを請える身近な人もいないまま部屋で死んでしまうケースが増加しています。

肉体的な病気や怪我のみでなく、鬱病などの精神疾患があるために外に出る体力や気力が湧かずに、部屋に引きこもって何もできずに餓死をしてしまうケースも増えています。特に鬱病や精神疾患などによる孤独死は若年層で多くなっています。

自分の生活習慣や栄養状態、住宅環境が異常だと気が付いていても改善する気力や周囲に助けを求める気力のない状態であるセルフネグレクトになってしまう人もいます。そのまま体調が悪化しても病院へ行かずに放置したり、生活習慣を改めないことが多いです。ゴミ屋敷で餓死などにより孤独死を迎えてしまうことがあります。

孤独の要因2.アルコール

孤独死をする方の中にはアルコール依存症の方も多くいます。配偶者を失った悲しみからお酒に頼っている人や、自分の病気が重いことを知っていながら現実逃避のためにお酒を飲んでいるケースもあります。
お酒を飲んだまま死んでしまう場合も多いため、身近な一人暮らしの方でアルコール依存症の方がいる場合、見守りを続ける必要性があります。

孤独の要因3.経済的要因

以前は高齢者と言うとお金を持っているイメージがありましたが、今は違います。年金の受給額の減少や、社会から孤立しているため金銭的に頼れる家族がおらずお金に困っていても誰にも相談することができなくなっています。

体調が悪くても医療費が払えないなどの理由で普段から病院に行かず、手遅れになるまで病気を放置していたり、手遅れになっていても気付かずに放置されていることがあります。

突然具合が悪くなってしまい救急車を呼ぼうとしても、その後の治療費を考えたら救急車を呼べず、手遅れになってしまうなど貧困からくる孤独死も増加しているとされています。若年層での貧困も顕著になっています。正社員として働いていても十分なお金をもらえず、貯金ができない人も少なくありません。健康で働けるうちはいいですが、病気などをして休職・退職せざるをおえなくなるとすぐに貧困にあえぐことになります。そして餓死などにより自室で死んでしまう事になるケースも少なくありません。

積極的な見守りと、コミュニティに属する努力が孤独死を減らす

積極的な見守り

自分の親や親せきなどを積極的に見守ることはもちろん、近隣住民で一人暮らしのお年寄りがいる場合も声をかけるなどして積極的に見守っていきたいところです。「前まで郵便受けに郵便物がたまっていたことはないのに最近溜まりがちだな」といったような自分にできる範囲でも良いので可能な限り気を配ることも大切です。

コミュニティに属する

自分が一人暮らしの高齢者などで、自分自身の孤独死が不安な場合は地域の麻雀クラブなどの地域コミュニティに参加したりコミュニケーションが取れるバーやスナックに通うなど人とコミュニケーションを取れる場に定期的に通うようにしましょう。
自分に何かあったときに気付いてもらえるだけでなく、人と関わることで精神的にも救われる部分もあります。

まとめ

今回はどうして孤独死が年々増えているのかを解説していきました。高齢者が孤独死をする可能性は、若者が孤独死をする可能性よりも高いです。しかし、うつ病やセルフネグレクトなどの精神疾患の普及により、若年層でも孤独死をしやすくなっています。皆さんも自分でできる範囲で自分や身近な人の孤独死の対策をしてみてくださいね。

この記事の執筆者
兼島剛
webメディア系の会社、コンサルティング会社に勤務後、現在はフリーランスのライターとして活動中。ライティングの際は現地取材を徹底して行うなど現場に密着した記事がウリ。得意ジャンルは政治経済、暮らし・ライフスタイル。特掃ジャーナルにも複数の記事を寄稿中。