最近よく聞く2050問題とは?孤独死にも繋がってしまう?

孤独死 引取拒否

最近は良く耳にする「2050年問題」日本という国家の存続の危機が危ぶまれており、早急に見直す必要があるとして度々議論に上がっています。今回はそんな2050年問題と孤独死の関連性について説明していきます。

2050問題とは?

内閣府や様々な研究者が予測する日本の2050年の将来図やシュミレーション結果から「日本という国家の存続危機」について警鐘を鳴らしています。人口の増加や超高齢社会などの理由から日本という国家の存続が危ぶまれています。

人口の減少

国立社会保障・人口問題研究所による平成14年1月推計の「日本の将来推計人口」)の中位推計では、日本の人口は、2006年にピークを迎え、その後減少を続け、2020年には12,411万人、2050年には10,059万人と、2004年よりも約2,700万人も人口が減少すると言われていました。また平成30年9月の経済産業省による「2050年までの経済社会の構造変化と政策課題について」では、2050年の人口は1憶人を切ると言われています。

老老介護が大量発生!

老老介護とは65歳以上の高齢者を65歳以上の高齢者が介護している状態のことです。主に「高齢の妻が高齢の夫を介護する」「65歳以上の子供がさらに高齢の親を介護する」などのケースが多いです。2013年に厚生労働省が行った国民生活基礎調査では、在宅介護をしている世帯の51.2パーセントが老老介護の状態にあるという結果が出ました。

また認知症の患者を認知症の患者が介護する認認介護も近年増えており、2010年に山口県で行われた調査では、山口県内で在宅介護を行っている世帯の10.4パーセントが認認介護状態にありました。

一般的には高齢になればなるほど体の自由が利かなくなるため、介護者の肉体的な負担が増えていきます。若い人が介護をしていても腰痛などに悩まされることは少なくないため、介護者が高齢の場合はさらに体の負担になります。介護を続けることは精神的な負担も少なくありません。介護のストレスから被介護者への虐待行為に結び付くケースも少なくありません。高齢者が高齢者を介護している場合、肉体的・精神的な限界を迎えてしまうと介護者本人も介護が必要な状態になり、「共倒れ」状態になることも考えられます。

強いストレスは認知症を引き起こす原因になる可能性が高いという研究結果もあります。特に周囲から孤独している老老介護の世帯は、認認介護に転じやすいと言われています。

生涯未婚率が上昇していることや出生率が下がっていることなどから、今後若い世代の人口はどんどん減っていくことが予想されています。また国民の平均寿命が延びていることから介護が必要な人口は増加していくと予測されており、老老介護になる世帯数が今後も増えていくと予想されています。

2050問題は何が原因なの?

核家族化

夫婦のみの家庭や夫婦と未婚の子供による家庭が増えており、従来の三世帯同居などは珍しくなっています。
三世帯同居家庭では高齢者の具合が悪くなった場合に、すぐに同居している家族が気付くことができました。核家族化している現在の日本では、高齢者は夫婦または一人で暮らしていることが多いため、具合が悪くなっても配偶者しか対応してくれる人がいない老老介護になりやすい傾向があります。また一人暮らしの場合、具合が悪くなってしまうとますます誰にも気がついてもらえずに孤独死につながってしまうことが少なくありません。

晩婚化や生涯未婚率の上昇による少子高齢化

年々日本の人口における高齢者の割合が増えており総務省の統計では2020年度の高齢者の割合は28.7%となっており、人口は3617万人です。核家族化などの影響で高齢者の人口が増えているだけでなく、高齢者の一人暮らしも増えているため孤独死をしやすい属性を持つ人の人口が年々増加しています。内閣府による『平成29年度版高齢白書(平成29年度版)』では今後も高齢者の人口は増えていき、2042年に日本の高齢者人口はピークを迎え、3,935万人になるだろうと予想されています。

晩婚化によって子供を産まない選択をする夫婦の増加や、ずっと未婚の男女が増えていることで子供の出生率が減っています。必ずしも自分の子供が介護などの頼りになるわけではありません。しかし子供が心配をすることで安否確認を頻繁にするなどして、孤独死や社会からの孤立を防ぐこともできます。また高齢者になってから金銭面に困ったときに、子供に援助を頼むという選択肢もありますが、子供がいないと更に社会から孤立しやすくなってしまうため、孤独死をする可能性が高くなってしまいます。

社会構造の変化による貧困の増加

以前は高齢者と言うとお金を持っているイメージがありましたが、今は違います。
年金の受給額の減少や、社会から孤立しているため金銭的に頼れる家族がおらずお金に困っていても誰にも相談することができなくなっています。また超高齢化社会では、現在の日本の社会保障システムを維持することはできず、年金の受給年齢がもっと後倒しになる可能性もあります。

またAIの台頭などにより、従来までは人間がやっていた仕事を機械が代わりにやる場面も増えてきました。AIなどに仕事を取られてしまう事で仕事を失ってしまうことなどによる貧困も危険視されています。

パラサイトシングルの高齢化

パラサイトシングルとは、社会人になっても親元で生活をし、経済的にも精神的にもいつまでも自立せず、家事など生活全般を両親に依存している独身者のことを指します。ネットでは「子供部屋おじさん」と呼ばれることもあります。パラサイトシングルは親が要介護となってしまった時に、親の面倒を見切れずに共倒れになってしまう可能性や、親の資金が尽きてしまい共倒れになってしまう可能性があります。

またパラサイトシングルの方は、今までの人生で面倒くさいことは全て親任せにして解決してきたため、一人での問題解決能力は著しく低いです。そのため親が死んでしまうと突然なにもできなくなってしまい、本人はそんなつもりがなくても社会から孤立をしてしまう傾向が強いです。

鬱病などの精神疾患の増加

鬱病などの精神疾患があるために外に出る体力や気力が湧かずに、部屋に引きこもって何もできずに餓死をしてしまうケースも増えています。特に鬱病や精神疾患などによる孤独死は若年層で多くなっています。

自分の生活習慣や栄養状態、住宅環境が異常だと気が付いていても改善する気力や周囲に助けを求める気力のない状態であるセルフネグレクトになってしまう人もいます。そのまま体調が悪化しても病院へ行かずに放置したり、生活習慣を改めないことが多いです。ゴミ屋敷で餓死などにより孤独死を迎えてしまうことがあります。

地域のコミュニティのつながりが弱くなっている

以前は地域のコミュニティのつながりが今よりも強い傾向にありましたが、特に都心部では人の入れ替わりが激しくなっていることから地域のコミュニティのつながりが弱くなってしまっています。一人で暮らしている高齢者の方が社会とのかかわりを持つ場が少なくなっており、より孤立しやすい社会になっています。

放っておくと孤独死の大量発生も。早急な対策が求められます!

2050年問題の原因とされている理由は孤独死の間接的・直接的な原因でもあります。2050年問題を放置してしまうと今後も孤独死の割合が増加していくと考えられており、また団塊の世代が高齢者になったときに孤独死の数が大幅に増えると言われています。早急に対策をしないと、多くの高齢者が孤独死をする恐怖を抱えながら生活をする社会になるでしょう。

まとめ

2050年は遠いようで、今からあと30年しかない近い未来の話です。日本という国の存続のためにも、孤独死を大量に出さないためにも社会的な構造を見直す時が来ているのでしょう。

この記事の執筆者
兼島剛
webメディア系の会社、コンサルティング会社に勤務後、現在はフリーランスのライターとして活動中。ライティングの際は現地取材を徹底して行うなど現場に密着した記事がウリ。得意ジャンルは政治経済、暮らし・ライフスタイル。特掃ジャーナルにも複数の記事を寄稿中。