もしも自分が孤独死を発見してしまったら?孤独死発見後に最初にやることをご紹介!

孤独死 発見

孤独死の現場はショッキングなことが多いため、第一発見者にはなりたくないものです。自分がたまたま発見してしまうことがないとは言い切れません。今回は孤独死の現場を発見してしまった場合のその後の流れを紹介します。

早期発見で生死がわからない場合

早期発見をすることができ、外見では死んでいるのか生きているのかを判断をできない場合があります。まずは119番に通報をし、救急隊員による生存確認をしましょう。事件性が認められる場合も救急隊員から警察に連絡をしてくれます。救急隊員に通報をした場合、その後は救急隊員の指示に従いましょう。

また不用意に体に触れるなどをすると後で事件性があるとされた場合に、身に覚えがなくても疑われてしまう可能性があります。必要最低限以外は部屋のものを触ったり、遺体に触ったりなどは控えましょう。

明らかに死んでいる場合

発見が遅れてしまい、外観から明らかに死亡している場合は警察、また判る場合はご家族などの保証人に連絡をします。孤独死は明らかに事件性がなくても「異常死」と捉えられ、念のため事件性がないものなのかという警察による調査が必要になります。

現場状況の聞き取り調査などで、家族や管理会社、大家さんなどの立ち合いが必要な場合もあります。警察による現場検証中は、孤独死があった部屋へは立ち入ることができません。貴重品に関しても警察が見つけ次第押収してくれますのであまり心配をする必要はありません。

警察や救急隊員による死体の搬出が終わり次第、すぐに大家さんや管理会社に連絡をしましょう。部屋を明け渡す場合、原状回復が原則ですが「どこまでの修復が必要か」「部屋の改修の基準の線引きをどこに置くか」などをしっかりと確認する必要があります。のちのちトラブルになりかねないので、不明点などは細かく確認をする必要があります。

室内の清掃や荷物の整理はどうするの?

通常、警察や救急隊員が部屋から遺体を運び出した後1〜2日で現場検証等が終わり入室可能になります。孤独死をした後すぐに発見されたことで、異臭や害虫問題が全く発生していない場合はすぐに遺族が遺品整理などを始めてしまっても問題ありません。

しかし腐敗臭や害虫が発生してしまっている場合、なるべく早く特殊清掃の業者を呼ぶ必要があります。市販の消臭剤や殺虫剤で対応しようとする方もいますが、業者で使用しているものほど強い効果が得られない場合があります。「どんなところに虫が溜まりやすいか」などの長年の経験を持って臨まないと害虫駆除が中途半端になってしまうことも多いです。腐敗臭や害虫が発生している場合は自己完結しようとせずにすぐに業者を呼びましょう。

部屋の様子があまりにもひどく、遺体から広範囲に体液が染み出している場合や、強い異臭、ハエなど多くの害虫が発生している可能性があります。その場合は業者にすぐに依頼をしてどの程度の原状復帰が可能化の確認とともに、大家さんや管理会社に相談をして今後の方針を取り決めていく必要があります。

発見が早く済んで死体の腐敗が進んでいなくても孤独死が起こった部屋はものが散乱しているケースが非常に多いため、ものの片付けは一朝一夕で終わるものではありません。ある程度区切りのいいところで先にお葬式を行なってしまうなどある程度の柔軟さが必要です。また親族の部屋の遺品整理は精神的な負担になりますので、遺品整理の業者に初めから依頼をしてしまうのも手でしょう。

特殊清掃の業者も遺品整理の業者も、見積を取って納得したうえで決めましょう。依頼をせかす業者や極端に安い業者など少しでもおかしいと思う点がある場合は依頼をしないで他の業者に見積依頼をした方が後々のトラブルが少なく済みます。

片付けの後に葬儀を実施する?

孤独死の場合、衛生面の都合から遺体は発見がすぐに火葬されるケースが殆どです。そのため遺族の手に渡るときには遺骨の状態で、渡されるケースがほとんどです。

遺族が引き取る場合

遺族がいる場合、遺族は警察から孤独死があった部屋の状況についてなどの説明を受け、家宅捜索時に一時没収されていた金品や住居の鍵などの受け渡しをされます。その時に遺灰を保管している葬儀社の情報も受け取ります。その後は普通のお葬式と同様の手順で進んでいくため、一般的なお葬式と変わりません。家族で相談をして普通のお葬式と同様に日取りを決め、お葬式をして問題ありません。

引き取る遺族がいない場合

遺体の引き取る遺族がいない場合や身元不明の場合、「行旅病人及行旅死亡人取扱法」という法律によって地元自治体が火葬をします。
遺灰の引き取り手がいない場合には、その後一定の保管期間を経たのちに「無縁塚」に埋葬されます。火葬等にかかった費用は法定相続人や扶養義務者などに後日請求が行きます。

身寄りのない方が孤独死をしてしまった場合でも、近隣住民の方々との交流があった場合など、近隣者等が喪主として葬儀を行ってくれることもあります。遺族ではない他人が葬儀費用等を出した場合には、故人の相続財産管理人が管理している相続財産から、かかった費用を後で返してもらうことができます。

相続財産管理人とは、故人に相続人がいない場合に、検察官や故人が賃借していたアパートの賃料を回収したいオーナー等の利害関係人の請求によって、家庭裁判所から選任された故人の相続を管理する人物のことを言います。

葬儀の後の流れは?

部屋の片づけ

葬儀後も部屋の片付けや遺品整理などが終わっていない場合は続けて掃除をしていきます。また、部屋を明け渡す場合には部屋の中にある個人のものを全てどかす必要があります。

部屋の供養

部屋の掃除や遺品整理のタイミングを見て孤独死があった部屋の供養もします。自分の信頼している神社や普段お世話になっているお寺などに相談して、お部屋の供養をしましょう。亡くなった方の宗教や宗派などはあまり気にしなくて良いそうです。そのかわり心の底から冥福をお祈りする気持ちが大切です。

個人が利用していたサービスの解約

個人が使用していた部屋の契約などはもちろん、他にはインターネットや電話など様々なサービスを利用していた可能性があります。また直系の遺族などが解約をする場合は解約しやすいですが、遺族などがいない方の場合は弁護士などが介入をすることになります。

まとめ

あまり孤独死は発見したくないものですが、自分が発見してしまうケースもあります。もし発見してしまった時に落ち着いて対処ができるように少しでも孤独死があった場合の対処法を知っておきましょう。自分が孤独死の対応をすることになってしまい、細かい対応が分からなくても、警察や大家さんなどに相談をすることで今後の流れなどの指針を伝えてもらえることがあるので、一人で抱え込まずにいろいろな人に相談をすることスムーズに対処できるでしょう。

多少の一時的な費用は掛かってしまいますが、特殊清掃の業者や遺品整理の業者を利用することで、手間や精神的な負担を大幅に減らすことができます。これらの業者を利用することを検討されてみてください。こういった業者の人は孤独死の対応などに慣れていることが多いので、今後の進め方など相談に乗ってくれるケースが多いです。一人での対応に不安がある場合は、積極的に利用しましょう。

この記事の執筆者
立花廉
フリーランスのライターとして活動中。エンターテイメント系から子育て、ライフスタイル・生活関連の記事まで月に数十本の記事を執筆し実績も豊富。得意分野はエンタメ・娯楽、社会問題関連のジャンル。特掃ジャーナルにも複数の記事を寄稿中。