謎に包まれた特殊清掃業の給料は?待遇などの実態もご紹介!

特殊清掃 給料

給料の前に。そもそも特殊清掃とはどんな仕事なの?

特殊清掃業の賃金・給料を紹介する前に、そもそも特殊清掃とはどのような仕事なのでしょう。特殊清掃とは、遺体が腐敗し、汚染されてしまった部屋をもとに戻す作業のことを指します。汚染をもとに戻すには、多くの作業があるため、メインとなる作業をいくつか紹介します。

1点目に紹介するのは、汚れ落とし・脱臭についてです。腐敗した体液は、染み込むと通常の洗剤などで落とすことができず、次亜塩素酸ナトリウムや亜塩素酸ナトリウムを特殊な機器を使用して落としていきます。脱臭に関しても、オゾンを利用し、長い時間をおいて脱臭します。

2点目に紹介するのは、害虫の駆除についてです。遺体からの体液や腐敗臭は多くの害虫を引き寄せます。ハエやゴキブリといった害虫は、危害を与えてくることはありませんが、近隣住民の迷惑になりますし、キクイムシやシンバムシといった害虫は、住宅自体に被害を与えてしまうため、強力な殺虫剤で駆除します。

3点目に紹介するのは、リフォーム作業についてです。表面の汚れを落としても、体液や臭いは、壁の奥や床下にまで浸透しています。そのため、壁や床を新しものに張り替える必要があります。清掃だけでなく、リフォームをする技術までもが、特殊清掃員には求められるのです。

基本的な作業としては以上の3つになりますが、特殊清掃の前には遺品整理という、故人の残したものを整理する作業があります。遺品整理と特殊清掃をセットで行っている業者も多いため、遺品整理の技術も備えている特殊清掃業者が多いです。また、特殊清掃は上記のように中々ハードな作業を行います。そのため、給料も期待できそうですよね!以下で詳細を確認して参りましょう。

特殊清掃の給料について

人間の血液・体液を綺麗に落とすなど過酷な作業のように見える特殊清掃。その給料は大体どの程度なのでしょうか。いきなりですが、早速その内容を見てみましょう。

一般的には、特殊清掃でもらえる給与は正社員だと月20~30万円、アルバイトであれば時給1000〜2000円になるようです。ただ作業時間が曖昧な場合が出てくるため日給での給与が多く、1日1万5千円~2万円が相場となります。特殊清掃の給料は意外にも高くないことに驚くのではないでしょうか。

「特殊清掃ってこんなにハードそうなのに、給料はそんなものなんだ…」と意外に思われる方も多いのはないでしょうか。仕事に見合った給料じゃないと思う場合もある一方、特殊清掃会社によっては待遇が良かったり、給料が高かったりと夢がある話もあります。しかし、仕事柄、給料を目当てで特殊清掃の仕事をするのはあまり期待しないほうが現実的です。

ただ、待遇が良い特殊清掃会社の例を挙げると、社員全員にipadが支給されスケジュール管理や連絡などを便利に行うことができ、アパートだけの寮ではなく、新築戸建ての社宅を保有していて社員を住まわせるなどかなり手厚い保証をしている場合もあります。

以上をまとめると、特殊清掃業の給料は想像する程高くは無く、むしろ作業内容からすると割安でもある。とは言っても、会社によってかなりバラつきがあり、給料はかなり高低差がある。ということになります。給料目当てで特殊清掃を志す方は、特殊清掃をやれば大金持ちになれる!といことは現実的ではないので期待は高くしすぎない方が良いかもしれません。

特殊清掃の仕事内容は?

こちらでは特殊清掃の仕事内容の紹介をします。特殊清掃の作業内容は多岐に渡りますが、端的に表現するなら、事件、事故、自殺、変死、孤独死、孤独死などの現場での清掃活動が主になります。

特殊清掃の現場では血液や体液があるところもあります。その場合、こびりついた血液や体液は特殊な洗剤やブラシなどを使い、清掃します。人だけでなくペットや動物・虫が現場にいる場合もあり、腐敗や異臭がする場合には感染症予防の消毒や消臭を行うこともあります。

場合によってはオゾン脱臭器を使った脱臭を1~2日間に渡りすることがあります。また、遺体の発見が遅れた現場では害虫・害獣が発生しているケースもあります。そのような場合、害虫・害獣駆除も特殊清掃の作業内容に含まれます。

特殊清掃では遺体の腐敗や体液が飛び散るなどで、床や壁が大きく損傷をしている場合もあります。あまりに損傷がひどい場合には解体工事まで業務として担うこともあり会社によっては、建物の補修を行うこともあります。また、遺品整理やお祓い、遺体発見から火葬までの業務を行ったりすることも会社によってはあります。

このように特殊清掃は単純な清掃活動ではなく、それに伴う様々な作業が含まれる。このことからも特殊清掃という仕事の大変さが分かりますね。

女性の特殊清掃員は多い?需要がない?

打って変わって特殊清掃において男女で向き不向きの差異があるか考えてみましょう。特殊清掃は家具や遺品を整理したり、こびりついた汚れを落とすなど重労働が多いためどちらかというと男性の清掃員が多いのが事実です。しかし、女性の清掃員がいないわけではなく、需要はかかなり高いです。

例えば、女性の孤独死や依頼者が女性の場合に対応するのが女性のほうが良いということがあります。女性の部屋に男性だけで入られるのも単純に考えて受け付けないという人もいるでしょうし、女性の依頼者で清掃員が皆男性だとなんとなく女性がいたほうが安心して依頼できるという方もいるでしょう。

また、女性ならではのきめ細やかさや配慮も現代の特殊清掃では必要になるでしょう。汚れや異臭を細かく施工しすることはもちろん、遺族への配慮など、特殊清掃において、気を遣うポイントは多岐に渡ります。特殊清掃員という厳しい仕事ではありますが、女性の特殊清掃員は今必要とされています。

特殊清掃に資格は必要?

特殊清掃をする会社によって業務内容が違うため場合によっては資格が必要な場合があります。
ただ、特殊清掃をするには特別な資格が必要ではありません。
逆に言えば、特殊清掃をするにあたり資格がいらなくてもできる仕事です。
そのため、資格があったほうが給与を少しでも上げる可能性が出てきます。
また、資格を取得すると給与を上げることができる資格としては以下になります。

  • 事故現場特殊清掃士
  • 遺品整理士
  • 脱臭マイスター
  • MT車普通免許
  • 中型免許

特殊清掃の施工時には、これらの資格を持っているとよりスムーズに知識を持って対応したり、資格がなければできない業務もこなすことができます。また、普通免許でもAT車限定だと重い荷物を運ぶ軽トラを走らせる場合、MT免許が必須となります。それに、中型免許があれば数多い家具や家電、大きいものも一気に輸送することができるため作業効率も上がりますのであれば良いですね。

また、遺品整理士という資格はあり、特殊清掃業時に発生すること多い遺品整理の専門家として社外にアピールしているできる資格もあります。。

特殊清掃でのやりがいや辛いことは?

特殊清掃という仕事でやりがいや辛いことはあるのでしょうか。そのことを考えるためにも、先ずは特殊清掃の依頼者側の立場で考えてみましょう。依頼者であるご遺族が自分の家族だとしても変死の処理や異臭や汚物がある部屋の掃除ができるわけではありません。やはり、それなりに専門の業者が清掃や処理してもらったほうが時間もかからず、跡形もなく処理してくれるため遺族に感謝されます。<p?

また、さまざまな特殊清掃現場を対応することで、1人1人の生きた証などを見ることで自分の人生を見返すきっかけになり、「生」と「死」についても考えさせられます。そして、社会的に汚い・臭い・キツいの3Kが揃っている「誰かがやらなければならない仕事」だからこそ、やりこなせれば自信に繋がり、やりがいを感じることもあります。

特殊清掃は自殺や孤独死などの処理、ゴミ屋敷の処理などあるため、給料や福利厚生の優遇度が高い場合がある一方、3Kという仕事だけあり、汚れや匂いがなかなか落ちないで作業に戸惑うことももちろんあります。作業道具や作業現場での片付けもあるため場合によっては重いものを運ぶこともあり、作業内容も多いため仕事に慣れるまで大変です。社会的には暗い仕事のようにイメージされる通りコミュニケーションがなかったり、あまりコミュニケーションを取りたくない人が作業に当たるためあまり楽しい仕事と感じれない場合ももちろんありますが、これは職場によっても左右されるので一般的なこととは結論づけられません。

このように特殊清掃は、他の仕事とは一風変わった「やりがい」や「辛さ」がある仕事です。これらに折り合いをつけられる人こそが特殊清掃に向いているのかもしれませんね。。

まとめ

最後になりますが、特殊清掃という仕事柄、メンタルが強くないと務まりません。葬儀社に勤めていただとか、医療関係者だったとかであればグロテスクな現場にいても問題ないかもしれません。ただ、やってみたいというだけでは務まらない部分もあり、特殊清掃をしたがあまり精神に支障をきたしその後の人生が変わってしまう人もいらっしゃいます。

自分なりに身近に人が亡くなって生死を考えるようになっただとか、3Kと言われる職業だからこそ社会の役に立てて、自分もその役に立ちたいという気持ちがある方が特殊清掃を仕事にする方ももちろんいらっしゃいます。誰でもできるという仕事ではないと思いますので覚悟は必要になります。

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この記事の執筆者
兼島剛
webメディア系の会社、コンサルティング会社に勤務後、現在はフリーランスのライターとして活動中。ライティングの際は現地取材を徹底して行うなど現場に密着した記事がウリ。得意ジャンルは政治経済、暮らし・ライフスタイル。特掃ジャーナルにも複数の記事を寄稿中。