日本のひきこもり数の統計どのような推移?驚愕の事実をご紹介!

ひきこもり 統計

国内のひきこもり数は遂に100万人を突破!推移を確認

40歳~64歳までのひきこもりについて2018年に全国の5000人に聞き取りを行い集計した結果、1.54%のひきこもりが確認されました。これを全国規模に直すと約61万人という数字が出ました。40歳以下については2015年の調査で同じように5000人に対しランダムに聞き取りを行った結果、約51万人となりました。その両方を合計し、ひきこもり人口は100万人以上であると推計されます。

現在、日本の人口は減少していますが、それとは反比例してひきこもり人口は増加しています。特に30代以上のひきこもりは2000年と比べて1.5倍以上の増加で、ひきこもりの高齢化が進行していると言えます。
ひきこもりの期間が「5年以上」という人が過半数を占め、このうち30年以上が6.4%、20~30年が12.7%。20~30歳代でひきこもり状態となり、脱するきっかけのないまま超長期化・高齢化していると話題になっています。

特に増加しているのは40〜64歳の中高年のひきこもり

40代、50代ともなると給料も年相応に高額になるためリストラ対象にされやすく、突然解雇を言いわたされるケースも少なくありません。またリストラではなく若いうちは耐えられた職場でのいじめや過酷な労働環境などを理由に退職していく人もいます。最近では郷里に住む親の介護のため、やむなく退職する人も目立ってきました。

中高年の人が会社を辞めると新しい職をみつけることは至難の業であり、不採用通知の山を見て高望みはできないと非正規やアルバイトで手を打つ方もいます。しかしそこにはたいてい年下の上司がおり、40代、50代の部下に命令したり怒鳴りつけたりするのを飲食店やコンビニなどで見たことがある方もいるかと思います。こうしてやっと見つけた非正規やアルバイトも自分が壊れてしまうかもしれないという危機感から防衛反応としてひきこもらざるを得なくなります。

また、家族も本人も無職の状態では体裁も悪く感じられ、誰とも会いたくなくなり、どんどん追い詰られます。いろんな生き方がある、多様な生き方がある、ということをもっと家族が認めて肯定しないと状況は改善していかないでしょう。

中高年のひきこもりには男女比やひきこもり期間などの特徴も

2018年の内閣府による調査ではひきこもり数は男性が7割とされています。ひきこもりが男性に多い傾向は10年前から変わらず、2019年、2015年の調査でも6割以上が男性となっていました。

女性は結婚によって家庭という居場所が得られますが、男性の場合は仕事の失敗によって居場所をなくすため、結果的に男性の割合が多いと推測されています。ただし、ひきこもり団体の資料では60%が女性となっており、家事手伝いや専業主婦という言葉に隠され、深刻化が見過ごされているのではないか、という意見もあります。

中高年のひきこもりが増え続けると日本社会はどうなる?

若年層のひきこもり問題が解決されないまま長期化、高齢化する一方で中高年になってひきこもり状態になる人もおり、8050問題(80代の親が50代の子供の暮らしを経済的に支える家庭状況およびその状態)が浮上してきました。

中高年のひきこもりは家庭内における収入の柱が80代の高齢者であるため経済的に逼迫しやすい上に、親が要介護者になったり親が先に死去したりした場合、子供は収入も生活能力もなく、様々な理由から外部への相談が難しいことから、社会から隔絶されたまま悲惨な状況に陥ってしまう恐れがあります。これはひきこもりだけでなく、高齢化社会を迎える日本全体で起こってくる問題です。

まとめ

ひきこもりや8050問題に類似した状況が発生しているご家庭に対して「恥じる気持ちを持つことなく、悲惨な結末を避けるために早期に周囲や行政に相談してほしい」とのメッセージを伝え続けることが非常に重要だと考えられます。

社会から遠ざかっている期間が短ければ短いほど就職先や新たな社会との関わりを見つけやすいです。悲惨な結末を避けるためにひきこもりという選択をする前に、できる範囲で行動を起こしていくこと、受け入れていくことが重要ではないかと思われます。

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この記事の執筆者
兼島剛
webメディア系の会社、コンサルティング会社に勤務後、現在はフリーランスのライターとして活動中。ライティングの際は現地取材を徹底して行うなど現場に密着した記事がウリ。得意ジャンルは政治経済、暮らし・ライフスタイル。特掃ジャーナルにも複数の記事を寄稿中。