日本にはパラサイトシングルが多い?! 増加する女性・高齢者など現状について紹介します!

パラサイト シングル

そもそもパラサイト シングルとは?詳細を解説します!

パラサイトシングルとは、30代・40代になっても親元で生活し、経済的にも精神的にもいつまでも自立せず、家事など生活全般を両親に依存している独身の子供たちのことを指します。パラサイト(寄生)しているように見えることから「パラサイトシングル」と表現されています。総務省の総括によるとアラフォー世代(35歳~44歳)の6人に1人がパラサイト生活を送っているというデータもあります。

パラサイトシングルは働いている人と働いていない人の2種類に分けられます。働いている人の場合は生活費がかからず給料は全部自分のものにでき、家事は親にやってもらえる実家暮らしが気楽でいい、という理由から親に依存しています。働いていない人の場合は経済的にも生活面においても親に依存しており、ニートもしくは引きこもりの状態に陥っています。この問題は親に甘えて寄生する子供だけの問題ではありません。子供を甘やかし世話を焼いてしまう親にも問題はあります。

近年では女性・老人のパラサイトシングルが増加

特に40~50代の独身女性はこの生活(両親に依存する生活)から抜け出そうとしなくなる傾向にあります。結婚するのが面倒になるし、焦りもありません。親がやってくれて当たり前となり、自分ですることも親が全てやっているとすればとても楽な生活を送り続けていて、この生活から抜け出すのは容易ではありません。

もしくは親の手助け(家事全般)はしているけど、経済的な事(働きに出る)については気持ちの面や色々な事情により出来ないという人も多くいます。

しかしこの頃(この年代)から、親の介護について向き合わなければいけなくなります。自分で生活できるのかどうか考えるのに、親が亡くなってからでは遅いのです。そして自分の老後。経済的な余裕があれば老人施設を利用するなどの方法もありますが、経済的な余裕がなく基本的な生活能力も低いパラサイトシングルは孤独死のリスクが高い老人になっていく恐れがあります。

パラサイトシングルの末路はどうなってしまうの?

さて、ここでパラサイトシングルの方の末路について考えてみましょう。

生活力不足による共倒れ

生活全般を親に委ねてきたため基礎的な生活や家計の管理能力、社会的支援に関する知識が乏しく、親の介護に対する備えや危機意識もありません。親が要介護となった時に生活苦になり共倒れする可能性が高いです。

自分の将来に対する不安

経済的にも精神的にも依存していた親が亡くなった場合、自立した生活ができるかどうか?という不安は大きい。また年金や国保の支払いが延滞や未払いの人が多くいるため、自分が年金受給年齢に達した時に問題が発生します。そして特に近年社会問題化しているセルフネグレクトや孤独死はパラサイトシングルにとっては大きな不安要素となっています。

パラサイトシングルの解決策は?

それでは、パラサイトシングルの解決策としてはどのようなものが考えられるのでしょうか。著者の私見ですが、以下の5つの解決策があるように思えます。

①親が寂しがるから、甘やかしてくれるからといつまでも子供がパラサイトシングルから抜け出せないのは、親の責任でもあります。お互いに自立心を持つことが問題解決策の第一歩になります。
②親と子供の双方が自立心を持つため、まず共依存をしているという自覚をお互いに持つこと。親を説得し、一緒に生活している間も自分でできることは自分でできるようにしていくことが大切です。
③給料を全て自分の思うように使ってしまっては、いつまでたっても解決することはできません。一人暮らしを目標にして、計画的に貯金するようにしてください。
④親元にいる間も生活費をきちんと親に払うこと。「親に生活費入れる分を貯金に回せばいいのでは?」と思うかもしれませんが、お金の管理ができるようになることが大切なのです。
⑤親元にいるうちに家事を分担し、自分でできることを増やす。親に教えてもらいながら、親孝行のつもりで積極的に家事に取り組んでいくことが理想です。

まとめ

長年一緒に暮らしてきた親との同居をいきなり解消するのは簡単ではありません。親も子も強い決意が必要となります。親子で話し合ってもうまくいかない場合、親戚などの第三者が入ることでお互いが客観的に自分の立場を自覚することができます。パラサイトシングルから抜け出すためには、親子双方が「パラサイトさせている・している」という自覚を持ち、先延ばしせず行動に移すことが重要です。

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この記事の執筆者
兼島剛
webメディア系の会社、コンサルティング会社に勤務後、現在はフリーランスのライターとして活動中。ライティングの際は現地取材を徹底して行うなど現場に密着した記事がウリ。得意ジャンルは政治経済、暮らし・ライフスタイル。特掃ジャーナルにも複数の記事を寄稿中。