生活保護の受給者や世帯者数はどの程度!?詳細や推移をご紹介!

生活保護 推移

国内の生活保護の受給者数の推移を確認

日本で生活保護を受けている人数は2017年2月時点で214万人。これはおおよそ名古屋市の人口(229万人)に匹敵しています。日本の人口(1億2670万人)の約1.7%にあたるので、約100人に2人が生活保護を受けていることになります。世界金融危機以降は急増していましたが、近年は季節要因による増減は、あるもののほぼ横ばいで推移しています。

世界金融危機以降は急増していましたが、近年は季節要因による増減はあるもののほぼ横ばいで推移、緩やかな低下傾向は継続しており、2017年2月の対前年同月伸び率は-0.9%。過去10年間でも低い水準となっています。

生活保護を受けている人数が減少しているのは、制度の厳格化はもちろん、人口の減少や景気も影響していると思われます。

生活保護の世帯者数も確認しましょう!

生活保護を受けている世帯数は不動産バブル後に増えはじめ、2005年に100万世帯を超えてしまいました。2008年から2010年にかけては26万世帯も増えましたが、最近は増加のスピードが弱まっており、2018年は163万7422世帯で2017年の164万854世帯と比較すると僅かながら減少に転じています。

直近の月報によると2020年2月分の概数では162万5020世帯とさらに減っているので、このまま減少していきそうな傾向もありましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により急増する可能性も浮上してきました。

高齢者の生活保護者数は増加傾向

2015年で65歳以上の高齢者は約3380万人いましたが、そのうち約97万人(2.9%にあたる)が生活保護の受給者で100人の高齢者のうち3人が生活保護を受けている貧困高齢者になります。

1996年では約1900万人の高齢者のうち、約29万人(1.5%)のみが生活保護受給者だったため、毎年3.5万人の勢いで貧困高齢者は増加し、20年間で約70万人も増えていることになります。

高齢者の貧困化が進んでいる背景には低年金・無年金が関係していますが、50代の約5割が年金未納者であり、今後も増加する可能性が極めて高いといわれています。

老人の生活保護が増えるとどうなるの?孤独死等も増加してしまう?

高齢者の社会的孤立は孤立死などの問題を生み出すといわれています。高齢社会対策基本法第6条の規定に基づき定められている「高齢社会対策大綱」では、高齢者やその家族の孤立を防止するため、社会とのつながりを失わせない取り組みを推進していくと書かれています。

また、一人暮らしの高齢者等が住み慣れた地域において、社会から孤立することなく安心した生活を継続して営める体制整備を推進するとされています。そして支援が必要な高齢者を支えるための地域づくりを進めるため、民生委員、民間事業者、ボランティアなどと行政が連携で各種施策を推進。高齢者の社会的孤立を防止することが定められています。現行の社会保障で対応することは可能なのか、すでにさまざまな綻びが顕在化しつつある中で生活保護のあり方を含め、社会保障についても検討を深めていく必要があるでしょう。

まとめ

生活保護制度は生活に困っている人にとっては頼りになる必要不可欠な制度ですが、税金を活用している以上は納税者の納得できる運営が重要となります。多くの人が生活保護制度のことを知り、状況を理解し、本当に困っている人に対して優しく手を差し伸べられるような、協力しやすい制度であってほしいです。

また、高齢者の増加に伴って一人暮らしの高齢者も増え、孤独死・孤立死も増えています。公的支援や民間サービスなど孤独死を減らす試みは各所でされています。それらを利用することはもちろんですが、自ら積極的に地域の活動に参画して交友関係を築き、定期的に会話を交わすことで予防を図っていきましょう。

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この記事の執筆者
兼島剛
webメディア系の会社、コンサルティング会社に勤務後、現在はフリーランスのライターとして活動中。ライティングの際は現地取材を徹底して行うなど現場に密着した記事がウリ。得意ジャンルは政治経済、暮らし・ライフスタイル。特掃ジャーナルにも複数の記事を寄稿中。