最近よく聞くデジタル遺品整理。私が死んだらスマホの中身はどうなる?
スマホには故人の財産情報がたくさん詰まっていることがあり、それらには相続に関わるものも含まれますので、スマホの中身確認は必須ですよね。また、財産情報や個人情報がないと分かっている場合でもスマホの解約や処分する場合に初期化する必要があります。
サブスクなど月額課金されているサービスに加入したままになっていると毎月お金が引き落とされてしまうため、退会や解約をする必要性も出てきます。また契約の承継も可能なので、故人のスマホを引き継いで使うケースなども考えられます。
以上の理由により、使用主が故人となったスマホがロックされている場合はなんとかして解除しようとすると思います。また、ロック解除後は金融・財産・決済に関する内容や交友関係に関する内容、写真や動画、使用していたアプリなどが発見されてしまうことになります。そうなるのが嫌な場合は発見されたくない情報はこまめに削除したり、「見られたくない」という故人の意思をくんでもらえるような良好な関係であることを日ごろから心がけておくことが大切ではないでしょうか。
AppleがiOS15の新機能「デジタル遺産プログラム」を発表!
Apple社のマイク・アボット氏は2021年6月に行われた世界開発者会議にて「普段はあまり考えないが、自分が亡くなった後、家族や友人に簡単に情報を引き継げることは重要だ」と発言していました。そして、同11月にAppleの新サービス「デジタル遺産プログラム」がリリースされました。
デジタル遺産プログラムはユーザーが亡くなった場合に、「iCloud」に保存した写真や書類などのデータを家族や友人ら5人に引き継げます。ユーザーの死後、登録者の申請に応じてAppleが故人のデータへのアクセスを認める仕組みは、デジタル遺産の継承を手助けする試みとして注目されています。
サービス誕生の背景はデジタル化に伴う故人の「デジタル遺産」の取り扱い方という社会問題
少しずつ死後のデータ管理への関心・必要性が高まっているこの頃ですが、自分が亡くなった後、データをどうして欲しいかは人それぞれで誰にも見られることなく削除してほしい人もいれば、SNSを遺産として誰かに管理し続けてほしい人もいます。
また、定額料金を支払って利用するサブスクはスマホのロック解除および解約しなくてもクレジットカードの停止で支払いを止めることができます。しかしクレジットカードを止めて半年後に「いろいろなサブスクの請求書が自宅に届いた」という相談が近年増加しているようで、サブスクは料金が滞納されれば自動的に解約されますが、滞納された分の請求は発生してしまうため注意が必要です。
あとはクラウド上にデータを保存されていた人が亡くなった場合、遺族がサービスを解約してしまった後に「パソコンやスマホの中ではなく、インターネット上にデータがあった」と気付くケースもあります。解約してしまうとクラウド上のデータにアクセスできなくなってしまうことから、処理する手順や順番も把握しておかなければなりません。
このように、デジタル遺産において急に亡くなった場合に周りの人が大変な思いをするのを防ぐためにも、普段から話しておくことやメモを残しておくことなどの対策を練る必要性がありそうです。
Androidのサービスは現在のところなし。事前に親族への共有や専門業者への依頼が必要。
Androidの場合、故人のデジタルデータを見るには専門の業者に頼る必要があります。値段はだいたいスマートフォンのパスワード解除に約30万円、パソコンだとパスワードの解除とデータ取り出しなど各2万円~5万円程度が相場のようです。
また、iPhoneには周囲にいるApple製デバイス(iPhone / iPad / Mac)と写真や動画をすぐ共有できる「AirDrop」という機能がありますが、Androidの場合はアプリ「Files Go」があり、それを使えばファイルを素早く共有できます。ただし、こちらは生前に設定しておく必要があります。
まとめ
スマホの中身を見られたくないという方が多数いるようですが、自分が死んでしまったら部屋や家には大家さんや家族が出入りします。デジタルの場合もそれと同じで「亡くなった後、自分の領域に踏み込まれてしまう」と想定した上でデジタル機器を使うという意識が必要です。自分でできる対策としてAppleの「デジタル遺産プログラム」なども有効です。
個人が保有するデジタルデータが増えている現代では、デジタルデータとして保管されている財産について対策をとる必要が出てきています。自分の保有しているデジタル遺品やデジタル遺産を把握し、目録を作ることで遺族が遺品整理に困らないように対策をしておきましょう。
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この記事の執筆者
webメディア系の会社、コンサルティング会社に勤務後、現在はフリーランスのライターとして活動中。ライティングの際は現地取材を徹底して行うなど現場に密着した記事がウリ。得意ジャンルは政治経済、暮らし・ライフスタイル。特掃ジャーナルにも複数の記事を寄稿中。