事故物件の告知義務の期間はいつまで?告知をしない場合はどうなる?

近年、耳にすることが多い事故物件というワード、皆さんはご存じですか?事故物件とは、物理的な問題や心理的な問題により、人々によくない影響を与える物件のことを指します。事故物件は年々上昇していますが、欠陥のある事故物件に住みたいと思う人は少ないでしょう。そのため、事故物件には買主・借主に契約前に告知をする義務があります。今回は、告知義務に関する期間や告知をしない場合どうなるか、事故物件の中でも最も多い心理的瑕疵物件について紹介していきます。

事故物件の告知義務とは?期限はある?

事故物件の告知義務とは具体的にどのようなものなのでしょう。告知義務とは、対象の物件が、事故物件である場合に借主・買主に対して事実を伝えるという義務です。告知をせず、入居後にその事実が判明してしまった場合、心理的ダメージを与える可能性や物理的な損害を与えてしまうことがあります。その場合、貸主・売主は損害賠償を払うこともあり、お互いに大きな傷を負ってしまいます。なので、必ず告知義務は行い、トラブルのない不動産取引をしましょう。

では、事故物件の告知に期限はあるのでしょうか。告知期間については、法律では明確に定められていません。しかし、必要な期間は、目安が定められています。目安の期間は、賃貸よりも、売買物件のほうが長期にわたって告知する必要があります。また、死因についても期間は異なり、自然死の場合は5年程度、自殺の場合は10年程度、殺人の場合はそれ以上が目安となっています。これは、自殺や殺人といった未練を残したまま世を去った死因のほうが、悪霊が残っていると思われているからです。なので、事故物件の扱う際は、死因についてよく知ることはとても重要となります。

病死や自然死も該当する?

事故物件の告知義務には、病死や自然死も当てはまるのでしょうか。告知義務には、病死や自然死も当てはまります。しかし、病死や自然死の中でも、事故物件となるものと、そうでないものがあります。

事故物件となってしまう例は、死後日数がたち、遺体が腐敗してしまった場合です。遺体が腐敗すると通常の清掃では臭いや汚れを取ることができず、特殊清掃という作業が必要になります。そういった住宅が、事故物件として登録され、告知義務が発生するのです。

一方、事故物件とならないものは、死後すぐに発見された物件です。遺体が腐敗する前に発見されれば、特殊清掃は必要ないので、事故物件にはなりません。告知義務の発生しない物件でも、告知をしてしまう例が増えているため、事故物件かどうかをよく判断して、告知しましょう。

心理的瑕疵(かし)とは?

事故物件の情報には、心理的瑕疵という文字をよく見るかと思います。では、心理的瑕疵とは一体どのような意味があるのでしょう。

心理的瑕疵とは、心理的に負担を与える可能性があるという意味です。主な物件としては、自殺・殺人・事故・自然死によって人がなくなっている物件を指します。ですが、心理的瑕疵物件は、人が亡くなった物件だけではありません。近くに暴力団事務所がある物件やごみ屋敷のある物件、お墓やごみ処理施設といった施設が近くにある物件までもが、心理的瑕疵物件として登録されます。住む物件自体ではなく、周りの環境によっても、心理的瑕疵物件として扱われる可能性があることを、よく理解しておきましょう。

告知方法や損害賠償について

告知義務が非常に重要なことは理解していただけたかと思いますが、どのように告知をすればいいのでしょうか。事故物件の告知方法は、契約前に行われる、重要事項説明にて告知するのが基本となります。口頭だけではなく、文書にして告知を行うことで、しっかりと説明の上で借主・買主が納得したという証明になります。こういった告知をしっかりと行わないと、貸主・売主は賠償請求を課せられてしまう可能性があります。過去にどのような賠償請求を課せられた例があったか、判例を2つ紹介します。

1つ目の判例は、8年9ヶ月前に他殺が疑われる死亡事件があったマンションを事件について秘匿して販売した売主に対して、損害賠償が求められたものです。この訴えでは、売主の告知義務違反が認められ、買主の契約解除と違約金請求が発生しました。

2つ目の判例は、8年前に焼身自殺があった住宅を更地にして、駐車場として使用されていた土地を宅地として販売した後で買主から告知義務違反の提訴がなされたものです。しかし、1度更地にしていたことで、事件の影響は見られないと判断され、訴えは棄却されました。一度更地や駐車場にしてしまえば、心理的瑕疵として扱う必要がなくなる物件もあります。しかし、殺人や無理心中といった大きな事件や、地域の流動性が低い物件では、数十年が経過たり、更地や駐車場にしても心理的瑕疵として扱わなければならない物件もあるので注意しましょう。

まとめ

今回は、主に告知義務の期間について解説しました。告知義務が発生する物件やそうでない物件、様々な告知期間があることがわかっていただけたかと思います。しかし、告知義務があるにも関わらず告知をしないことは、大きなトラブルにつながります。告知が必要かどうかは弁護士と相談し、必要な場合は必ず告知をしましょう。

この記事の執筆者
立花廉
フリーランスのライターとして活動中。エンターテイメント系から子育て、ライフスタイル・生活関連の記事まで月に数十本の記事を執筆し実績も豊富。得意分野はエンタメ・娯楽、社会問題関連のジャンル。特掃ジャーナルにも複数の記事を寄稿中。特殊清掃や遺品整理に関する記事を特掃ジャーナルで多数執筆。