裕福は過去の時代?深刻化している高齢者の貧困とは?

高齢者 貧困

最近よく「老後2000万円問題」という言葉を耳にしますよね。老後に多くに資金が必要になっているのは間違いないです。老後はゆっくりほのぼのと暮らしていけるというのは過去のことで高齢者の多くが資金に悩まされ、貧困が問題となっています。

そこで今回の記事では深刻化している高齢者の貧困について解説していきます。日本の社会問題や老後の生活に関心がある人はぜひこの記事を参考にしてください。この記事を読めば老後の不安をなくすために何をしなければならないかわかるでしょう。

65歳以上の高齢者のいる世帯数は全世帯の約半分。約8割の主収入が年金

内閣府の調査によると、2018年の65歳以上の高齢者のいる世帯数は49.8%と全世帯の約半分の数となっています。数値は現在まで右肩上がりで、今後もさらに増加していくと考えられます。高齢化は日本の大きな問題です。高齢者が増えてくると働き手も減少していきますので、多くの高齢者を少ない現役世代で支えていかなければならないことになります。そうなってくると現役世代にかかる年金制度の負担が大きく今後変更されていくかもしれません。そのため、老後の生活を年金だけに頼るのは得策ではないでしょう。

しかし、現在の高齢者の約8割の主収入が年金です。高齢者夫婦での月の平均合計収入は10万円以上20万円未満の割合が約30%と一番多く、20万円以上30万円未満が約25%と次いで多かったです。国民年金は20歳から60歳の40年間すべてをきっちりと保険料を納付していれば、月額約6.5万円(2021年度)を受給することができます。日本の年金は基本的に2階建て構造となっており、会社員の方は国民年金に加えて厚生年金の金額もプラスされます。国民年金に厚生年金をプラスするとおおよそ月15万円程度の収入になります。しかし、現役時代に自営業の方や主婦の方は厚生年金を支払っていないので、国民年金だけの受給になります。老後の資金を年金だけに頼っていると生活は苦しくなるでしょう。

65歳以上の一人暮らし数も年々増加。貯蓄なしの世帯も。

65歳以上の一人暮らし数も年々増加しており、2018年は一人暮らしの割合は3割を占めています。核家族化も進んでおり、高齢者と家族が別々で暮らしている家族が増えているのが現状です。これにより、高齢者夫婦のどちらかが死別してしまい、独り身になる高齢者が増加しています。特に夫に支えられてきた女性が独り身になってしまうと、年金も十分に受給できないため、資金問題で苦しんでいる人も多いです。そして高齢者の中には貯蓄なしで生活している世帯もいます。高齢者になってもその日暮らしの厳しい生活を送っていることになります。

高齢期の単身は貧困率も高くなる傾向が

高齢期の単身は貧困率も高くなる傾向があります。これは当たり前のことで、高齢者夫婦で暮らしている場合、年金の受給額は増えますが、生活費に関してはそこまで大きな変化がありません。夫婦なら二人で分担でき、食費などが少し増えるぐらいでしょう。しかし、単身の場合、年金の受給額が下がり、一人ですべての費用を払わないといけません。単身のほうが一人にかかりコストが大きいのです。そのため、高齢者の単身の方のほうが貧困になる可能性が高いということになります。特に単身の女性は貧困に陥りやすいです。その理由としては、国民年金のみの受給の方が多いため、生活費を補うことが難しくなるからです。高齢者では男性より女性の貧困の方が多くなります。

特に貧困の危険が高いのは単身世帯の女性

上記でも少し説明しましたが、単身生体の女性は貧困になる危険がとても高いです。なぜなら、現役時代は夫の扶養内に入り、主婦やパートとして働いていたため、国民年金にしか加入していない人が多いからです。国民年金のみなので年金の収入が低く、生活費を補うのが苦しくなります。その結果、単身世帯の女性の貧困の割合は約5割を超えているともいわれます。また、最近ではシングルマザーの方も増え、子供の教育費にお金を使わなければならなかったため、老後の資金を十分に貯金できない人もいます。こうした原因により、単身世帯の女性の貧困率がとても高くなっています。

まとめ

今回の記事では高齢化している高齢者の貧困について解説していきました。高齢者の約8割の主収入が年金です。年金に頼って生活しているので、今後年金制度次第で今の現役世代の老後の生活が変わってくるでしょう。老後に資金で困らないでいいようにできるだけ、老後のために資金を貯蓄していくことが大切です。特に夫の扶養に入っている女性の方はもしもの場合を考えておいた方が良いでしょう。日本の老後問題の現状を知って、しっかりと対策していってください。

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この記事の執筆者
兼島剛
webメディア系の会社、コンサルティング会社に勤務後、現在はフリーランスのライターとして活動中。ライティングの際は現地取材を徹底して行うなど現場に密着した記事がウリ。得意ジャンルは政治経済、暮らし・ライフスタイル。特掃ジャーナルにも複数の記事を寄稿中。