高齢者だけの問題じゃない?深刻化する若者の社会的孤立

高齢者 孤立

新型コロナウイルスの影響により、社会的孤立を感じる人が増えました。今までは独り身になった高齢者だけの問題とされてきた社会的孤立ですが今では若者の問題としても深刻化しています。そこで今回の記事では深刻化する若者の社会的孤立について解説していきます。現代の大きな問題となっている若者の問題を知り、日本の現状についての理解を深めてください。

コロナ禍で学校に行けない。アルバイトの機会や収入も激減。若者は苦境に立たされています。

新型コロナウイルスの影響で多くの学校が対面での授業をやめ、リモートでの授業をしました。新学期になってもなかなか対面での授業が再開されず、友人とも会えない期間が長かったです。特に新入生は学校に入学しても、同級生と直接顔を合わせることがないため友達ができないといった問題もありました。友達ができないから学校生活が楽しくないという人も多くいたようです。

また、学校生活だけでなく、アルバイトの機会や収入が減ったことで学生たちを大きく悩ませました。コロナウイルスの影響で飲食店も大きな打撃を受けました。そのため学生をアルバイトとして雇う余裕がなくなり、学生たちのアルバイトの機会が減ったのです。アルバイトができないと収入もなくなりますので、アルバイトのお金で学費を払っている学生にとってはとてもきつい時期だったでしょう。こういった悩みによって若者は苦境に立たされました。

若者世代2割以上が「治療が必要な抑うつ状態」という調査も

上記のような学校やアルバイトでの問題がストレスとなり若者を悩ませます。悩みを抱えた若者は精神的に不安定になっていき、調査では若者世代の2割以上が「治療が必要な抗うつ状態」と言われています。この調査は2021年の2月に行われ18歳か~29歳までの若者を対象として調査されました。2020年5月の緊急事態宣言が出された時と比較すると減少しましたが、約2割、5人に1人の若者が「治療が必要な抗うつ状態」であると考えると多いですよね。また、この調査で抗うつ状態まではいかなくても、「ストレス状態」と推定された若者が約5割もいました。コロナウイルスの感染が長引くことでオンライン授業などが継続されより一層社会的孤立を感じてしまったのが原因だったのでしょう。

若い世代ほどコロナ禍でストレスを抱えるという専門家意見も

専門家の意見では若い世代ほどコロナ禍でストレスを抱えやすいされています。海外でも若者がレストランやバー、クラブで集まれなくなったため、電車内などで騒いでニュースになりました。行動に制限がかけられているため、閉じ込められているような気分になっているようです。コロナウイルスの影響は予想以上に若者に影響を与えました。現代はネットが繋がっているため、どこにいても人と連絡が取れます。しかし、いくらネット上で連絡を取ったとしても若者の社会的孤立感は解消できないようです。若者にとって人と直接会うことは自己形成になり、成長に必要な要素です。それを政府によって制限されている状況は若者に窮屈感を与えています。大人になればある程度自己形成もできていますし、心身ともに成熟しています。ですが、若者はまだ成長の途中です。こういった要因が若い世代ほどコロナ禍でストレスを抱えてしまうことに繋がっているのでしょう。

SNSだけには頼れない。孤独から守るコミュニティーが必要

SNSだけでは社会的孤立を解消することは難しいです。SNSだけのやり取りだと人との繋がりが薄く感じるからでしょう。相手の顔が見えなかったり、文章だけのやり取りだと寂しさを感じたりしますよね。孤独を守るためにもSNSだけに頼るのではなく、コミュニティーを形成していくことが必要になります。若者は他者と実際に会って関わることで自己形成に繋がっていきます。若者の生活には他者との関りが不可欠なのです。SNS上での人との繋がりでは孤立感を解決することができないので、実際の生活での人との繋がりを強めていく必要があります。

まとめ

今回の記事では深刻化する若者の社会的孤立について紹介してきました。新型コロナウイルスが若者に与えた影響はとても大きかったです。学校の授業がオンラインになったり、アルバイトの機会が減ったりしてより一層社会的孤立感は高まりました。そのため若者にストレスが溜まり、うつ病に発展することもあります。若者の成長には他者との関りが必要です。人とのつながりを強めて、社会的孤立を解消していくことが重要です。SNSだけの繋がりでは不十分なことを知り、実際の生活で人との関係を深めていきましょう。

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この記事の執筆者
兼島剛
webメディア系の会社、コンサルティング会社に勤務後、現在はフリーランスのライターとして活動中。ライティングの際は現地取材を徹底して行うなど現場に密着した記事がウリ。得意ジャンルは政治経済、暮らし・ライフスタイル。特掃ジャーナルにも複数の記事を寄稿中。